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DSC02160長江哀歌

『長江哀歌』2006年  中国映画

監督  ジャ・ジャンクー
出演  チャオ・タオ(シェン・ホン)
     ハン・サンミン(サンミン)
     リー・チュウビン(グォ・ビン)

2006年 ベネチア国際映画際 金獅子賞グランプリ
2006年 アジアン・フィルムアワード最優秀監督賞


長江とは中国大陸を東西に横断する全長6300キロにも及ぶアジア最長の川のことです。
ナイル川・アマゾン川に次ぐ世界第3位の大河でもある。その支流が潤す地域は168万3500平方キロ以上に及び、流域に暮すのは約4億人とも言われ・・・上海・武漢・重慶といった主要都市を結ぶ中国の大動脈ともなっている。
長江・三峡は全長240キロに及ぶ渓谷の呼び名で「三峡」とは3つの大渓谷が在ることに由来し、黄河流域とともに古代文明の発祥地でも在るし・・・日本でもお馴染みの私も大好きな「三国志」の舞台にもなった土地でもあり、山水画の題材に好んで描かれ・・・李白・杜甫などの詩人も「三峡」の雄大な景色の詩を多く残している。
幾度と無く下流地域では、豪雨の度に水害(洪水)に悩まされ孫文の時代に三峡ダムの計画が上がり1993年着工。完成予定は2009年とされているが、この三峡ダム計画で130万人以上の住人が移住を余儀なくされ多くの歴史的遺跡が水没することになった。

物語はその水を湛える悠久の大河、長江・山峡へ山西省から3千元支払い妻を娶った元農夫で現在は炭鉱夫サンミンが、16年前に突然姿を消した妻と娘を探しにくる所から始まる。






DSC02165長江哀歌


訪ねてきた妻の出身地の村は既に山峡ダム工事で水没していた。
この、サンミン役の方は監督の従弟だそうで・・・本当に以前は山西省で炭鉱夫として働いていたそうです。なので意外と筋肉質な体格。一見・・・ぱっと見には、大人しそうなのですが、なかなか真面目で肝が据わっていて誇り高い男らしい男でもある。
その、サンミンの妻は兄の作った借金3万元の為に男に囲われている。^^;
中国って・・・・人身売買があるって良く聞くけど・・・現代も横行してるのですね(;へ:)
昔、両親と旅行に行った温泉地でも「中国雑技団」(主に小さな子供や少女)が食事の席で素晴らしい演目(アクロバット)を披露してくれましたが・・・何故か、私はそのプロ意識の強さにも感動し、あまりの彼女達の健気さに心苦しく!?もあり、心を打たれた複雑さで涙したことがある。^^;(ふと・・・その子達の境遇を想像したりしたら)
あの・・・いたいけな人懐っこい笑顔は、無防備に人の心を打つ・・・・そんな昔の光景を思い出したりもした。

長江と言えば・・・お隣は四川省。
以前・・・香港と桂林の漓江の川下りを観光で行った時に「四川料理」を食べたのですが辛い料理ばかりで・・・私は、大好き♪ですけど一緒に行った子がダメしたね(笑)長江もお料理・・・辛いのかな?(どうでも良い話題でm(__)m際)その時の、水墨画を見てるような風景が映画を観ながら走馬灯のように蘇るのでした。


DSC02163長江哀歌

もう一組の夫婦の話に出てくる山西省から出稼ぎに出たまま2年間音信普通の夫を探しに来た看護師のシェン・ホン役のチャオ・タオ。
経歴を拝見して・・・成る程。歩き方・・・仕草、佇まい・姿勢・目線・所作が非常に美しいのです。
特に凄い美人でもないのですが・・・古典的な中国美人の雰囲気を画面いっぱいに漂わせます。とても凛としていて美しいと思いました。彼女が水を飲むシーンや・・・暑い長江で夫から連絡を待つ夜・・・・汗ばんだブラウスを扇風機で空気を入れながら乾かすシーン・・・
其処だけ今までの映画の乾いた空気とうって変わってしまうのですね。とても品のある色香を感じました。日本の女優さんで・・・・こういう感じの「母性」つまり女性として完璧なイメージの (それは子供を生み育てているとか社会において自分の責任を遂行しているとか・・・)
女優さんて今現在・・・・思いつかないですね。とても彼女の存在感は凄いです・・・・。

DSC02164長江哀歌

こんな風にビルの解体も手作業で解体するんですね・・・・なので画面いっぱい埃っぽさも感じます。しかし・・・このアングルも凄いです。
中国映画は正に・・・じゃりタレで興行成績を上げる日本映画とは違う大人映画なのでしょうね。

ダムに沈んだ町・・・・
そして開発の進む街並みに破壊される建物と川と水と人間の汗との対比
その建物から出る「2千年の歴史の悲鳴」のような音や埃・・・
水を湛える美しい長江の川の傍で
こんなことが行われてる現実の中国の悲鳴にも聞こえました・・・・
経済至上主義で改革路線へ邁進する社会主義国中国・・・
眠れる獅子は、いったい何処へ辿りつくのだろうか

DSC02161長江哀歌

このシーンの構図・・・凄いなぁ~~と感心したのです(笑)
まるで、シュールレアリズムの絵画みたいですね。
この映画は乾いた感じの切り口で、非常にゆったり描かれているのですが
映像が物凄い迫力で画面いっぱい迫ってくるようなシーンや映像美もお薦めです。



もしもある日 本当に
理想の愛が叶うなら
もっと君を大切にしよう
いつまでもいつまでも努力しよう
その日がどれほど遠かろうが
きっと理想を叶えてみせて
君に向って囁くんだ
愛してる 愛してる
ねずみがお米を愛するように
嵐が来ようと僕は君の傍にいる
(楊 臣剛「ねずみは米が好き」)



ねぇ、ゆっくりお飛び
バラには棘があるから気を付けて
・・・・ねぇ、僕と一緒にお飛び
林を抜けて小川まで
ねぇ、ダンスを踊ろう
春の愛には夜は来ない
二人で仲良くヒラヒラ飛ぼう
世間のしがらみ飛び越えて
いつまでも一緒にいよう
(龐龍「二匹の蝶」)


劇中・・・・ボーイソプラノの少年が何故か悲しげに主人公達(夫婦)の気持ちを代弁して歌うかのような・・・・この二つの中国の歌が印象的でもありました。

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